『プラダを着た悪魔』から考える、見えない価値の連鎖と私たちの仕事

皆さま、ご機嫌いかがでしょうか?『元気な畑のごちそう』株式会社須崎青果 代表取締役の市川義人です。

いつもホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。

 

5月1日に映画『プラダを着た悪魔2』が公開されましたね。前作は非常に素晴らしい映画でした。あれで終わりだと思っていたら、続編が制作されたとのことで、期待と不安が入り混じりますが、時間を作って観に行きたいと思っています。

 

前作の『プラダを着た悪魔』には、仕事について深く考えさせられる名セリフがいくつも出てきます。ファッション業界という華やかな世界の話ですが、そこにある厳しさや視点は、農業流通に関わる私たちの仕事にも深く通じるものがあります。

今回は、私が特に印象に残っている「3つの場面」から、仕事の価値について考えてみたいと思います。

 

◆ 場面1:「あなたの無能さの詳細には興味はない」

鬼編集長のミランダが放つ、かなり厳しい言葉です。

仕事では事情確認が必要な場面もありますが、多くの場合、長い言い訳は状況を良くしません。「こう思っていました」「自分なりにやったつもりでした」という説明を重ねても、それだけで価値が生まれるわけではないからです。

むしろ、その時間が長くなるほど改善の機会を逃し、信頼を減らすことにつながります。仕事で本当に大事なのは、うまく説明することではなく、「次に同じことを起こさないために、どう動くか」です。価値を高めるのは、言い訳ではなく「具体的な改善」だけなのです。

 

◆ 場面2:「君は努力していない。愚痴を言っているだけだ」

主人公アンディに対して、先輩のナイジェルが言うセリフも本質を突いています。

忙しい、しんどい、納得できない。仕事においてそう感じることは誰にでもあります。ただ、厳しい言い方ですが、愚痴は努力の代わりにはなりません。

ここでいう努力とは、

・何を変えればよいか考えること
・やり方を修正すること
・次に同じ失敗をしない工夫をすること
・相手にとってより良い形をつくること

これらを指します。ただ現状を嘆いて終わるのか、そこから一歩、状況を変えるために動くのか。プロとしての価値は、その姿勢にはっきり現れるのだと感じます。

 

◆ 場面3:セルリアンブルーのセーターが教えてくれること

では、本当の意味での「仕事の価値」とはどこにあるのか?それを教えてくれるのが、私が特に好きな「セルリアンブルー(青色)」についてミランダが語る場面です。

「服の違いなんて大したことではない、自分には関係ない」という態度のアンディに対し、ミランダは、その青色ひとつをとっても、過去に数え切れないほどのプロたちが考え、選び、流行をつくり、市場へ流し、その結果として今あなたの目の前にあるのだと語ります。

あの場面が伝えているのは、「自分が何気なく手にしているものも、実は『誰かの仕事と意思決定の積み重ね』の上にある」ということです。

これは、青果を扱う私たちの仕事でも全く同じです。
普段、当たり前のようにスーパーに届く高知県産の野菜。それらは最初からそこにあったわけではありません。その裏には、農家さん(生産者さん)の情熱や苦労があり、それを受け取り、安定して届けるための誰かの判断や改善の連鎖があります。

「自分には関係ない」と思った瞬間に、仕事の本質は見えなくなります。見えていないだけで、その「当たり前」は、誰かの真剣な仕事によって支えられているのです。

 

◆ 仕組みで「価値の連鎖」を支える

私たちの給料も、どこからともなく湧いてくるものではありません。青果を出荷してくださる生産者さん、商品を買ってくださる消費者の方々。その「架け橋」として、私たちがどれだけ価値を発揮できたかによって決まります。

だからこそ、私たちは個人の気合や無理に頼るのではなく、デジタルツールやデータ、そして優れたシステムを構築することに注力しています。

私たちは、プロとしての高い意識を持ち続けるために、個人が言い訳や愚痴で止まらない。そして当たり前の仕事を丁寧に積み重ねられるような「仕組み」を整える。それが会社の役割だと考えています。

 

◆ 最後に

目立つ仕事だけが価値を生むのではありません。誰かが考え、整え、支えているからこそ、今の仕事が成り立っています。

自分の仕事の先にある「見えない価値」を想像すること。そして、その連鎖をよりスムーズに、より確かなものにするために、自らを変革し続けること。

それが、私たちが目指す「青果流通の新しい形」への第一歩です。明日からも、作る人と食べる人の笑顔をつなぐために、この価値の連鎖をみんなで繋いでいきましょう。

最後までお読みいただき、ありがとうございました。