なぜ、頑張っているのにうまくいかないのか? 〜たった2つの根本原因〜

皆さま、ご機嫌いかがでしょうか?『元気な畑のごちそう』株式会社須崎青果 代表取締役の市川義人です。
いつも須崎青果のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。

 

今回は、9月9日に予定している農業経営セミナーについての前説のようなモノを書かせていただきます。
前回(7月28日開催)も同じようなことをやりました。やはり、少しでも参加者を集めたいですからね。

 

なぜ、頑張っているのにうまくいかないのか?

先日、あるセミナーで本田茂氏が農業経営の「注意点」について語ったところ、参加された多くの農家の方から「まるで自分のことを言われているようだった」という感想が寄せられました。

「今年も一生懸命働いた。でも、なぜか毎年同じような問題で悩み、同じような不安を抱えている…。」

もし、あなたもそう感じたことがあるなら、それは決してあなたの能力や努力が足りないからではありません。

今回の記事では、多くの農家が陥りがちな「悪循環」の正体と、そこから抜け出すための本田式マネジメントのエッセンスをご紹介します。

 

あなたの農園は大丈夫?よくある「悪循環」のサイン

本田氏が指摘する「うまくいかない経営」には、共通のパターンが見られます。

春、農作業が始まると忙殺され、家族との会話は作業指示だけに。去年の反省を活かす間もなく、気づけばシーズンが終わってしまう。
・いざ話し合おうと家族で集まっても、結局は代表者一人が話し、他の家族は言いたいことを胸に秘めたまま会議が終わる。
・対応が常に後手後手に回り、問題が起きると「時間がないから」と場当たり的な対処で済ませてしまう。
・「計画を立てる」こと自体が面倒に感じたり、将来のことを考えると不安になったりするため、結局なにも決められないまま時間が過ぎていく。

これらの光景に、一つでも心当たりはないでしょうか。本田氏によれば、こうした問題が起きる本当の原因は、実はたった2つに集約されると言います。

 

本当の原因は「能力」ではなく「習慣」

多くの経営者が抱える問題の根っこにあるのは、個人の能力不足ではありません。本田氏は、その原因を「① 組織で動くことに『慣れていない』だけ」であり、「②『変わること』への抵抗があるだけ」だと指摘します。

つまり、問題は個人の資質ではなく、経営の「仕組み」や「習慣」に起因するのです。逆に言えば、正しい仕組みと考え方を導入すれば、状況は必ず好転します。

 

「うまくいく経営」への第一歩は、PDCAサイクル

では、どうすればこの「悪循環」から抜け出せるのか。その答えが、本田氏の提唱するマネジメントの核心、PDCAサイクルです。

1.Plan(計画): 目的を達成するための具体的な計画を立てる
2.Do(実行): 計画に基づいて行動する
3.Check(検証): 計画通りに進んでいるか、家族全員で定期的に話し合う
4.Action(対策): 問題点や反省を基に、全員で対策を考え、次の計画を修正する

「うちは規模も小さいし、そんな大げさなことは…。」と感じるかもしれません。しかし、本田氏が強調するのは、いきなり大きな計画を立てることではなく、「小さなPDCAから少しずつ」始めることの重要性です 。

例えば、「毎週月曜の朝15分だけ、全員で今週の計画と先週の反省を話し合う」。これだけでも、経営は劇的に変わります。

この小さなサイクルの継続こそが、勘や根性だけに頼る経営から脱却し、家族の想いを一つの力に変えるための、最も確実な一歩なのです。

 

おわりに:悪循環を断ち切り、「うまくいく経営」へ

今回の記事では、多くの農家が陥りがちな経営の「注意点」と、その根本原因、そして解決の糸口となるPDCAサイクルの重要性についてお伝えしました。

次回のセミナー本編では、

・なぜ話し合いで意見が出ないのか?その具体的な解決策
・忙しい中でも無理なくPDCAを回すためのコツ
・家族で「目的(ビジョン)」を共有し、納得感のある計画を立てる方法
・自社の「強み」と「弱み」を正確に把握し、次の目標を設定する具体的なステップ

など、皆さんが明日から実践できる「うまくいく経営の法則」を、豊富な事例と共に徹底的に解説します。

チームの新たな可能性を発見しに、ぜひご参加ください。