農業経営セミナー『うまくいく農業経営の法則』開催レポート

皆さま、ご機嫌いかがでしょうか?『元気な畑のごちそう』株式会社須崎青果 代表取締役の市川義人です。
いつも須崎青果のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。

 

2025年9月9日(火)、野市青少年センターにて、HS経営コンサルティングの代表である本田茂氏を講師にお招きし、第7回農業経営セミナー「うまくいく農業経営の法則~小さなPDCAの回し方~」を開催いたしました。

 

 

当日は多くの生産者の皆様にご参加いただき、会場は熱気に包まれました。ご参加いただいた皆様、誠にありがとうございました。

今回のセミナーの様子を、皆様にご報告いたします。

 

なぜ、頑張っている農家ほどうまくいかないのか?

「毎年一生懸命働いているのに、なぜか経営が楽にならない…」
「計画が大切だと分かってはいるが、日々の作業に追われて後回しになってしまう…」

そんな悩みを抱える農家は少なくありません。今回のセミナーでは、まず多くの経営者が陥りがちな「悪循環」の正体に迫りました。

講師の本田茂氏は、「うまくいかない原因は、能力や努力が足りないからではない」と指摘します。その根本にあるのは、「組織で動くことに慣れていない」「変わることへの抵抗がある」といった、長年の習慣にあるというのです。

今回のセミナーのテーマは、まさにその「勘と根性」に頼った経営から脱却し、計画的に経営を改善していくための具体的な手法を学ぶことでした。

 

 

「夢」を「計画」に落とし込む実践ワークショップ

セミナーは、単なる座学ではありませんでした。参加者の皆さんには、実際に手を動かして自らの経営と向き合うワークショップに取り組んでいただきました。

 

1. 自分の夢発掘シート

まずは、5年後、10年後にどうなっていたいか、自身の「夢」を書き出すワークからスタート。「年収を上げたい」「新しい機械が欲しい」といった具体的な目標から、「家族と旅行に行きたい」「地域に貢献したい」といったプライベートな夢まで、様々な想いが紙に綴られていきました。

経営の目的である「夢」を明確にすることで、日々の仕事へのモチベーションを高めます。

 

2. 経営計画作成シート

次に、その夢を実現するための具体的な「経営計画」を作成するワークに移りました。

「SWOT分析」を用いて、自社の強み・弱み、市場の機会・脅威を客観的に分析。そこから具体的な戦略を立て、「課題解決実行スケジュール」に落とし込んでいきます。

 

参加者の皆さんは、真剣な表情でペンを走らせたり、グループで意見交換をしたりと、非常に積極的に取り組んでいました。漠然としていた課題や目標が、具体的な行動計画へと変わっていく貴重な時間となりました。

 

参加者の声

アンケートでは、多くの前向きなご感想をいただきました。個人が特定されない形で、その一部をご紹介します。

■『昨年通りやることがリスク』という言葉にハッとさせられました。これまでは目の前の作業をこなすことで精一杯でしたが、ビジョンを明確にし、計画を立てることの重要性を痛感しました。

■自分の夢や目標を書き出して言語化することで、やるべきことがクリアになりました。自分だけでなく、従業員や家族ともしっかり共有して、同じ目標に向かって進んでいきたいです。

■変わり続けることの大切さを改めて感じました。日々の業務に追われる中で、経営について考える良いきっかけになりました。まずは小さな改善から実践していこうと思います。

 

今回のセミナーは、日々の作業に追われがちな中で、改めて自身の経営の「目的」と「現在地」を見つめ直し、未来への具体的な一歩を踏み出すための大変有意義な時間となりました。

「うまくいかない経営」を「うまくいく経営」に変える魔法はありません。しかし、現状を正しく把握し、目標を立て、小さな改善(PDCA)を粘り強く続けることで、経営は着実に良い方向へ向かっていきます。

 

須崎青果は、今後も生産者の皆様の経営に役立つ情報提供やセミナーを企画してまいります。

最後になりますが、素晴らしいご講演をいただいた本田茂様、そしてご参加いただいたすべての皆様に、心より感謝申し上げます。