皆さま、ご機嫌いかがでしょうか?『元気な畑のごちそう』グループ、株式会社カネエイ 代表取締役の市川義人です。
いつもホームページをご覧いただき、誠にありがとうございます。
先日、大手小売企業が一部食品について「価格凍結(据え置き)宣言」を発表した、というニュースを目にしました。
物価高が続く中で、食品の価格を据え置くという取り組みは、消費者にとって大変ありがたいものです。生活防衛という意味では、大きな企業努力だと感じる方も多いと思いますし、私自身も価格を抑える努力そのものを否定するつもりは全くありません。
ただ、食品流通に関わる立場から見ると、どうしても一つの問いが浮かびます。
それは、「その価格維持の原資は、どこから生まれるのか?」という問いです。
現在、原材料費、燃料費、物流費、人件費は軒並み上昇しています。農業の現場でも、資材費や運賃などの負担は年々重くなるばかりです。
その中で「価格を据え置く」ということは、上がったコストをサプライチェーンのどこかで吸収しているということです。
もちろん、計画生産、物流改善、包装資材の見直しなどによって、本当に無駄を削ることは大切です。そうした取り組みによって価格を守るのであれば、それは健全な企業努力です。
しかし、もしその負担が、生産者、物流会社、製造委託先、あるいは卸売といった「川上側」の我慢のみに偏っているとすれば、話は変わってきます。
安さは大切です。しかし、誰かの利益や現場の体力を削って成り立つ安さは、決して長くは続きません。
食品は、売場だけで生まれるものではありません。畑があり、製造現場があり、物流があり、多くの人の手を通って、ようやく消費者のもとに届きます。
そのどこかに一方的な負担を押し付ければ、生産者が疲弊し、物流が滞り、結果として供給力の低下という形で、最後に困るのは消費者になってしまいます。
私たち「元気な畑のごちそうグループ」は、バリュー(価値観)の一つに「なるべく疲弊しない、疲弊させない」という言葉を掲げています。
これは自社の社員だけでなく、関わるすべての生産者様やお取引先様にも向けた願いです。
だからこそ、外部に努力やコストダウンを求める前に、まず「自社の中にある無駄をどこまで削ったのか」を問うことが重要だと考えています。
食品流通の現場には、まだまだ非効率な作業が残っています。紙の伝票、手書きの書類、二重入力、属人的な確認作業……。これらは一つひとつは小さな手間に見えても、積み重なれば膨大な時間とコストになります。
価格を守るために必要なのは、仕入先にだけ「何とかしてください」と求めることではありません。古い業務のやり方を見直し、デジタル化を進め、取引先とのやり取りをシンプルにすること。
これを他社に求める前に、まず私たち自身が率先して行わなければならないと、自戒を込めて思っています。
当グループでも、生産者様との情報共有システムの導入や、AIを活用した業務効率化を進めていますが、これも「無駄を削り、疲弊しない環境を作る」ための企業努力の一環です。
安さを守ることと、仕入先(生産者)を守ること。この二つは、本来対立するものではありません。
仕入先にだけ努力を求めるのではなく、まず自らの非効率を見直す。そのうえで、どうしても上がるコストについては、小売、卸、メーカー、物流、生産者がそれぞれの立場で正当に話し合い、認め合う。
これからも私たちは「作る人と食べる人の架け橋」として、誰かの犠牲の上に成り立つ流通ではなく、関わるすべての人が笑顔になれる持続可能な農業流通の未来を、自ら率先して創っていきたいと思います。
最後までお読みいただき、ありがとうございました。





