映画を観て立ち止まり、考えたこと

[Date]2025.11.28  [Category]ブログ

皆さま、ご機嫌いかがでしょうか?『元気な畑のごちそう』株式会社カネエイ 代表取締役の市川義人です。
いつも『元気な畑のごちそう』のホームページをご覧いただき、ありがとうございます。

先日、公開された映画『果てしなきスカーレット』を観ました。
物語は、世界の在り方に疑問を抱く青年と、現実に傷つきながらも進もうとする王女が、とある旅を通じて「理想と現実の距離」と向き合う内容です。

印象的だったのは、二人の価値観が旅の中で少しずつ変化していくところでした。
はじめ、青年は理想を語り続けます。 争いのない社会、救われる命、優しい世界。 一方で、王女は現実の痛みを知っているからこそ、理想を簡単には信じません。

しかし、物語が進むにつれ——
青年は理想だけでは世界は変わらないことを知り、
王女は現実だけを見ても未来は動かないことに気づきます。

映画はこう問いかけているようでした。

理想と現実、そのどちらか一方だけで未来を語ることはできるのか。
変わらない世界に合わせて生きるのか。
それとも、未来のほうへ歩み続けるのか。

観終えたあと、その問いが胸の中に残りました。

 

■ MVVの存在意義について

私たちのグループでは「MVV(Mission / Vision / Value)」を掲げています。
これは、私たちは何のために存在し(Mission)、どんな未来を目指し(Vision)、どのような価値観で行動するのか(Value)を示すものです。

MVVは「いまの組織の説明」ではなく、未来へ向かうための共通言語です。

だからこそ、ときには抽象的に感じられることもあるかもしれません。
「現実と乖離している」「理想が先行しすぎている」とも感じられたことでしょう。

しかし、MVVを掲げる理由はひとつです。

未来を描かずに歩めば、それは流されるだけの組織になる。
未来を描くからこそ、選ぶ力が生まれる。

そのために、言葉を掲げ続けています。

 

■ 理想は現実逃避ではなく、未来を動かす力

映画の登場人物たちは、旅を通じてこう変わりました。

・理想だけを信じるのではなく、
・現実に押しつぶされるのでもなく、
その両方の間で問い続け、歩み続ける。

私たち企業も同じだと感じています。

農業・食・地域づくりという領域は、変化が一朝一夕に起きる世界ではありません。
現実は厳しく、課題は多く、時間も必要です。

それでも私たちは、 よりよい社会・よりよい産地・よりよい未来を諦めたくありません

 

■ 最後に

『果てしなきスカーレット』は、理想と現実のどちらかが正しいのではなく、その間を歩くことが価値なのだと静かに語りかける作品でした。

私たちも、同じ問いの中を生きています。

MVVは完成された答えではありません。
社員とともに、地域とともに、社会とともに、時間をかけて形にしていく“過程”です。

歩みは速くないかもしれません。
しかし、その歩みは確かです。

これからも、未来を見据え、現実に向き合いながら、進んでいきます。

 

お読みいただき、ありがとうございました。